輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

じごくのししゃ

地獄の使者

海野 十三

線上閱讀海野 十三《地獄の使者(じごくのししゃ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 75,419 字 · 152 頁

青空文庫

「この通りです。どの缶にも、赤線の符牒がついていますよ。おどろきましたね」

佐々は、部屋の真中に山のように積みあげた缶詰を指さした。検事は大寺警部に目配せして、それらの缶詰を調べにかかった、指紋をつぶさないように気をつけながら……。

「無いね。無いじゃないか」

検事は失望していった。

「無いですね。どの缶詰も重いですね。軽いやつは一つもないですね」

警部も失望の態である。

「空き缶の方はどうだろうか。中が洗ったように綺麗なのがあるかい」

こんどは空き缶探しにうつった。だがそれも失望を強めたに過ぎなかった。

問題の空き缶のように中の綺麗な缶は一つもなかった。

「この上は、お末をここへ引張って来て、訊問するんですな」

「うん」

と検事は考えていたが、

「それは後でもいいと思う。それよりは次のミヤコ缶詰工場へ行こう。あそこへ行けば、問題の空き缶についていた未詳の指紋の主が分るかもしれん。その方の調べを急ごうや」

「いいですなあ」

そこで一行は、一名の警官を後に残して、河田町の方へ自動車をとばしていった。ここで話をもう一度旗田邸へ引き戻さねばならないことになった。それは、ちょうど同じ頃の時刻であったが、旗田邸内に意外な事態が起ったので……。