輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
こうふ
坑夫
線上閱讀夏目 漱石《坑夫(こうふ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 141,690 字 · 283 頁
偉い奴だ。
同勢はこれでようやく揃ったが、この先どうなる事だろうと思いながら、相変らず神妙にしていると、長蔵さんは自分達を路傍に置きっ放しにして、一人で家の中へ這入って行った。仕方がないから家と云うが、実のところは、家じゃもったいない。牛さえいれば牛小屋で馬さえ嘶けば馬小屋だ。何でも草鞋を売る所らしい。壁と草鞋とランプのほかに何にもないから、自分はそう鑑定した。間口は一間ばかりで、入口の雨戸が半分ほど閉ててある。残る半分は夜っぴて明けて置くんじゃないかしら。ことによると、敷居の溝に食い込んだなり動かないのかも知れない。屋根は無論藁葺で、その藁が古くなって、雨に腐やけたせいか、崩れかかって漠然としている。夜と屋根の継目が分らないほど、ぶくついて見える。その中へ長蔵さんは這入って行った。なんだか穴の中へでも潜り込んで行ったような心持だった。そうして話している。三人は表に待っている。自分の顔は見えないが、赤毛布と小僧の顔は、小屋の中から斜に差してくるランプの灯でよく見える。赤毛布は依然として、散漫なものである。この男はたとい地震がゆって、梁が落ちて来ても、親の死目に逢うか、逢わないかと云う大事な場合でも、いつでも、こんな顔をしているに違ない。