輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ぼちてんぼうてい
墓地展望亭
久生 十蘭
線上閱讀久生 十蘭《墓地展望亭(ぼちてんぼうてい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 46,485 字 · 93 頁
たぶん、それで思いが晴れるだろうからな」
竜太郎は書机のところへ駈けて行って汽車の時間表を探し出し、あわただしく頁をひるがえして「経伊特急」のところをひろげると、
「……ヴァルローブ……ロオザンヌ……ドモドツノラ……ミラノ……トリエスト……ソフィア……マナイール……」と、指で辿りはじめた。
そして、窓のほうへ立って行って、夕暮の巴里の屋根屋根を眺めていた。何も見ているわけではなかった。竜太郎は泣いていた。
20, 35――Simpron-Orien-Expresse.
里昂停車場の六番の昇降場には、いつになく夥だしい人波が群れていた。それも、老人や子供たちの姿は見えなくて、どれもこれも陽焼した、ひと眼で軍人だと知れるような、体格のいい青年たちばかりで、みなひどく切迫した顔つきをして、断切音の多い近東の言葉で、互いに何か叫び交わしていた。
発車の間ぎわになって、ダンピエール先生が、リストリアの文部次官宛の紹介状を持って駆けつけて来てくれた。ひどく息を切らしながら、竜太郎の手を握ると、青年のような若々しい声で、叫んだ。
「自白したまえ、自白したまえ。君は、リストリア語でなく、あの女王の調査に行くのではないのかね。