輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
線上閱讀織田 作之助《夜光虫(やこうちゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 66,871 字 · 134 頁
「そりゃ君の知ってる男だけの話だ」
「…………」
「莫迦だなア、君は……。僕が好きでもないのに、そんなことをいう奴があるか。さアもう寝よう」
小沢はくるりと娘に背中を向けた。娘の商売が判ってしまうと、かえって狂暴な男の血が一度に引いてしまったためか。それとも一種のすねた抗議の姿態だろうか。
娘は暫くだまって肩で息をしていたが、いきなり小沢の背中に顔をくっつけて、泣き出した。
「何を泣いてるんだ……?」
小沢はわざと冷淡な声を出しながら、窓の外の雨の音を聴いていた。……
悪の華
午前六時の朝日会館――。
と、こうかけば読者は「午後六時の朝日会館」の誤植だと思うかも知れない。
たしかに午前六時の朝日会館など、まるで日曜日の教室――いや、それ以上に、ひっそりとして、味気なくて、殺風景でいたずらにがらんとして、凡そ無意味な風景であろう。
しかし、午前六時の朝日会館を描くことは、つねに無意味だとは限らない。
例えば、そんな時刻、そこには鼠は走り廻っても、猫の子一匹もいない筈だのに、時ならぬ、場違いの鼾が聴えて来たとすれば、もはや無意味ではあるまい。まして月並みではない。