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たいくうまかん

大空魔艦

海野 十三

線上閱讀海野 十三《大空魔艦(たいくうまかん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 31,098 字 · 63 頁

青空文庫

船もなければ、橇もない。到底日本へはかえれまい。丁坊はそれをはっきり知らないのだろうと、蔭で涙ながして気の毒がる隊員もあった。

隊長大月大佐は、丁坊の進言によって、空魔艦の根拠地へむけて遠征する計画をたてはじめた。

幸いに、食料は三十日間だけあり、武器も弾丸の数にして五千発ばかりあったので、これなら一戦やれると見込がついた。

隊員のなかから、十五名を選んで遠征隊員として、のこり五名をここにのこして置いて、予備隊とする。

その一方、沈みゆく若鷹丸から持ち出した電波の無線機械を至急修理して、内地と連絡できるようにせよという命令が出て、無線班は食事も忘れて、しきりに器械をいじっていた。

「どうだ、松川学士。遠征隊は何日出発できるだろうか」

と、大月大佐は、若い副隊長の松川彦太郎学士にたずねた。

「今のところ、どんなに急いでも、明日の朝になりますね」

「そうか。やっつけるなら、早い方がいい、急いでくれ」

「承知しました。急ぎましょう」

隊員は、さらに急がしくなった。

いつの間に陽が傾いたのか、よくわからなかったが、既にして夕刻となり、あたりはもううすぐらくなりかけた。