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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 145,722 字 · 286 頁
捕吏たちは、血眼になって、住職をとたずね廻るけれども、ついにその姿を見出すことができないで、堂の壇上から裏の藪を越えて、稲荷の祠の前まで、地下に抜け穴が出来ていたのを発見した時は、もう遅かったようです。
これより先、七兵衛は早くも本堂の天井裏に身をひそませて、じっと下の様子を見おろしておりました。
本堂の中では、お手前物の蝋燭を盛んにともしつらねさせて、さながら白昼のような中に、引据えられた婦人たちを前に置いて、仮りに訊問の席を開いているのが、天井の七兵衛には、手に取るように見えます。
しかし、恥と怖れとで、その婦人たちは、いずれも面を上げている者がありませんから、どのような身分の、どのような縹緻の婦人だか、それはわかりません。
有合わせの床几に腰をかけて、その婦人たちを訊問している二人の侍。その声で覚えがあるが、これはさいぜん御行の松の下で話し合っていたそれに違いない。今は、白昼のような蝋燭の光で、ありありと二人の姿を見て取ることができます。
その時、七兵衛が疑い出したのは、この役人は町奉行の手か、お寺のことだから寺社奉行の手か。それにしても二人の役人ぶりが少し訝しいと思いました。