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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 145,722 字 · 286 頁

青空文庫

「支那にもお代官があるの」

「ええ、お代官といったものでしょうか、日本のお大名ともちがうし……お代官よりは、もう少し格がいいんでしょう。その陽城という人が、道州を治めに来ました時、この任土貢を、どうしても天朝様へ納めることをしませんでした」

「その時には、生憎、背の低い人が見つからなかったのでしょう」

「そうではないのです……陽城公は考えがあって、ワザとその背の低い人を朝廷へ奉らなかったのです。そうすると、天子様から再三の御催促がありました、ナゼ任土貢を奉らないのだと……」

「お代官も困ったでしょう」

「ところが、陽城公が詔に答えていうのは……臣、六典ノ書ヲ按ズルニ、任土ハ有ヲ貢シテ無ヲ貢セズ、道州ノ水土生ズル所ノ者、タダ矮民有ッテ矮奴無シ……とキッパリとお断わり申し上げてしまったのですね。つまり、私は昔の書物を調べてみましても、任土貢というものは、その土地に有るものを献上することで、無いものを献上すべきものではござりませぬ、わが道州には矮民というものは有るが、矮奴というものは無い、無いものを献上することはできませぬと、天朝に向って、キッパリとお断わりを申し上げてしまったのです」