輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 159,272 字 · 313 頁

青空文庫

多少の賃銭を与えることにすると、その人たちの生活の助けにもなる……と道益先生がこういって、それから自分も手弁当で、蓑笠をつけて、数人の男をつれて山の中へ入り込んで、一草を見るごとに、必ずそれを取って嘗めて、良いか悪いかを見分けて、その場所へいちいち目じるしを立てておいたものだ。その目じるしというのは、つまり後から取りに来る人のための目じるしだ。それのみならず、その草の根をまたいちいち掘って帰り、これを自分の庭園の中に植えて、山へ取りに行く人に実地を見覚えさせておいたものだ。なんとまあ親切な仕業じゃねえか――昔、支那には神農様というのがあって、百草の品々を嘗めて、薬を見つけて、人間の疾病を救ったものだが、道益様のなすところはそれと同じことだ。ただ草を嘗めるというが、この草を嘗めて良否を見分けるというのは、なかなか度胸がなけりゃできねえよ。そうして道益先生は山に寝ね、谷に転がり、木曾の山中を薬草を探し歩いて尾張に出で、名古屋へ行って銀若干を借りて、それで草を掘る道具類を買受けて、それを一人に一本ずつ与えて、また山中へ入れて薬草を取らせたのだが、仕事を与えられた人々は先を争うて山に入り、日々山の如く薬草を取って来た。