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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 86,467 字 · 168 頁

青空文庫

お嬢様に気に入られるくらいなら、こっちもひとつお嬢様というのを気に入れてやろうじゃねえか――お角親方に向っちゃ、おいらはどういうわけだか、気が引けて頭があがらねえが、そのお角親方が恐れ入っているお嬢様というのには、てんで友達扱いでいられらあな――お安い御用だよと米友が思いました。

「じゃ、頼まれてあげよう。そうして、その関ヶ原というのは、これからどっちの方へ、何里ぐらいあるんだね」

「この街道筋を西へ向って行けば、二つ目の丁場がそれだとさ、この次が垂井というので、それまで二里半、垂井の次が関ヶ原で一里半ということだから、まだ四里からあるにはあるんだがね――馬に乗っておいでよ」

今、草鞋を取ろうとする時に、これから四里も歩かせられるとしたら、米友といえどもうんざりしないわけにはゆくまいが、馬をおごってくれるという親方の好意で、帳消しにならないということはない。だが、米友の気性として、

「なあに、四里ぐれえの道は馬でなくたっていいよ」

と頑張ってみました。事実、米友は従来の旅で、ここと思って突っ放され、夜道も野宿も覚えがあるのだから、その気になれば四里ぐらいの追加はなんでもないし、また馬に乗せてもらうなんぞは、自分の分として贅沢過ぎるようにも、意気地がなさ過ぎるようにも感ぜられないではない。