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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 254,021 字 · 495 頁

青空文庫

のねえたった一つの親譲りの面なんでげすからなあ」

「ふん――ちゃちな面だなあ、陣幕や小野川の腕でぶたれたんなら知らぬこと、この尾羽打枯らした神尾の痩腕が、そんなにこたえるかい、一つぶたせりゃ十両になるんだ、この神尾の痩腕で……」

「どういたしまして、殿様のなんぞは、そりゃどちらかと申せばきゃしゃなお手なんでげすが、何に致せ、もとは鍛えたお手練でいらっしゃる、手練がおありなさるから、たまりませんや」

「は、は、は、わしはあんまり武芸の手練はないぞ、若い時、もう少し手練をして置いたらと思われるが、つい、酒と女の方に手練が廻り過ぎてしまった」

「いや、どういたしまして、何とおっしゃっても、お家柄でございます、殿様のお槍のお手筋などは、御幼少から抜群と、鐚助夙に承っておりまするでげす」

意外にも神尾は、こののだいこから自分の武芸を推称されたので、少しあまずっぱい心持がしてきました。

百

なるほど、おれは旗本としては、やくざ旗本の標本みたようなものだ。武士としては、箸にも棒にもかからぬのらくら武士だ。

だから、その点に於ては、微塵、人も許さず、自分も許してはいない。