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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 254,021 字 · 495 頁
あの人だ、あの人が、つまりこの人なのだ。そう思って見れば、いよいよ背恰好がそっくりである。それに相違ない、と米友は見込んでしまったが、さて、あれから、あの納まりはどうなったのだ。まるで戦争でもはじまりそうだったが、それでも無事に済んだらしいのは結構だが、その納まりをつけたこの人が、ここではあんまり暢気過ぎるというような感じもして、とにかく、変な人だと思いつつあとをついて、宇治山田の米友はほどなく、とある一種異様な門構えの前まで来ました。
その門というのが、さして大きな門ではないが、その構造が全く変っている。室町時代に於て見る四脚門のような形をして、古色もたいていそれに叶っているから、好古癖のあるお銀様でも来て見れば案外の掘出物を見つけるかも知れないが、米友には、少し変った門だなと思っただけのものでした。
導いて来た釣竿の浪人は、この門から入って行くと、中は、ささやかな庵寺です。
「これでも、お寺だな」
と米友が思いました。その庵寺の一方の庫裡というようなところへ来ると、浪人が、無雑作に隣の家へ言葉をかけました、
「帰りました」
「お帰りなさいまし」
隣家から老婆の返事です。