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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 254,021 字 · 495 頁
長浜別院大通寺の方は、本願寺の勢力であんなに宏大であるが、この寺はごらんの通り見すぼらしいものになっているのが、かえってまた保身の道によろしい点もあって、存在を認められないくらいに微禄しておりますればこそ、今日でも寺の周囲に相当の遺蹟も残っておれば、おたずねのような宝物も保存せられている、それをどうかすると聞きかじってたずねて来るものがあるけれども、たいていは、左様なものは昔はあったかも知れないが、今日はもう行方不明じゃ、とこのように申して謝絶しておりますが、貴老に至っては、もはや、せっかく御奇特の儀お見届け申したるにより、残らずお目にかけようと思いますが、何を申すも、夜分ではやむを得ないによって、明朝に至って、ゆっくり御案内を申し上げる、まず今晩は、むさくるしけれど、当屋へ御一泊あってはいかがでござる」
こうまで言われて、辞退するような道庵ではありませんでした。
道庵を一室に寝ませた青嵐は、また炉辺に寄って来て、燈を剪って、ひとり書物をひもどきはじめました。何の書物をか、青嵐がしきりに読み耽っている一方、早くも熟睡に落ちた道庵の鼾の音が高い。
かくて湖上湖畔の夜は更けて行く。