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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 254,021 字 · 495 頁

青空文庫

あの伝で瑞巌寺泊りの駒井氏をも驚かしたそうだが、どうだ、七兵衛老爺、今晩は心得たものだから、出るならひとつここへ出てみないか。ここなら四方に憚る者はない、思う存分貴様のヒュードロドロを見物してやる、出るなら出てみろ。

というようなそぞろ心に駆られていると、不思議に身の毛がゾッとしてきて、現在誰か一人、背後に廻ったような気分があるが、これは気のせいだ。

さて、今晩はここに納まり込んで、明日の日程だ――そうそう悠々閑々としてもおられない。三日間を限って、とにかくそれまでには、いったん月ノ浦の無名丸まで立帰らにゃならぬ。限られたる日程だが、実をいうと、おれはまた慾が一つ出て来たのだ。

それは、恐山へ行って見たいという慾望だ。

柳田平治を発見してから、なんとなく恐山という名に引かされる。一旦は船へ戻るとしても出直して、北上の竿頭さらに一歩を進めて、陸奥の陸の果てなる恐山――鬼が出るか、蛇が出るか、そこまで行って見参したいものだな。

三十一

変れば変るもので、道庵先生がハイキングをはじめました。

およそ、ハイキングだの、パッパ、マンマだのということほど、道庵先生に縁の遠いものはないのですが、転向ばやりとでもいうのでしょう、とうとうこの先生がハイキングをやり出したことに於て、容易ならぬ非常時を想いやる