輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,374 字 · 345 頁

青空文庫

ところが、その若い奴が、死なねばならぬわけがあるから、どうかこのまま死なせて下さいと、泣いて頼む故、それほど死にたいとは、よくよくのことだろう、では、快く死ねと言って、縄を松の枝へかけてやって、そのまま塾へ帰って来たという。

塾というのは伊庭の塾のことで、塾へ帰ると同門の岡野誠一郎をとっつかまえて、今、首くくりを助けて来てやった、とその由を語ると、正直な岡野が面の色を変えて、それは助けたんじゃない、殺したんだ、事情は何とあろうとも、生命より大事なものは無い、そういうのは生かして助けなければならん、話の具合では、まだ息がありそうだ、行って見よう、二人で見届けに行こうと、岡野が焦れているものだから、おれも案内して、以前のところへ来て見ると、その若いのはブラ下がっている、もう駄目だ、息がたえている。

誠一郎が、大息してなげいて言うには、この首縊松というやつが名代になっている、この松で今まで幾人首をくくったかわかりゃせぬ、いわば人殺しの松だ、憎い松だ、手は下さないけれども、人命を奪う奴、所詮この松があればこそ人が死にたがるのだ、ことにこの枝ぶりが気に食わぬ、こいつがにゅうとこっちの方へ出しゃばって、いかにも首をくくりいいように手招きをしていやがる、こいつが無ければ人は死ぬ気にならんのだ、怪しからん奴、憎い奴、