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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,374 字 · 345 頁

青空文庫

しかし、この場合、そういう遠慮は無用である。よろしく、覚悟の前、この戸棚のうちの一つ、最もめぼしいようなのを一つ押破ってみてやろうではないか。一つでたんのうできなければ、全部をいちいち破壊してみてやろうではないか。さし当り、今晩これに旅籠を取るからには、夜の物が欲しい、なければないで済ませるが、すでにこの通り多数の物入があって、それをそのまま死蔵せしめて置くは、宝の山に手を空しうするも同じこと。誰を憚る、要らぬ遠慮――

と兵馬は決心して、その戸棚の中のめぼしい一つを、力を極めて押破ってみました。

別に一ツ目小僧も出ては来なかった、これは確かに夜のもの、夜具蒲団の一団と認定のできた大包み、それを引出して解いて見ると、果してその通り、絹紬のまだ新しい夜具が現われる。

とこうして、兵馬はついに、その新しい夜具を豊富に打着て、就眠の人となりました。

働いているから眠りに落つることも早い。

四十五

肉体は疲れているから、眠りに落つることははやかったけれども、神は納まっていないから、睡眠が必ずしも安眠というわけにはゆかない。夜半、兵馬の胸を推すものがある、うつつにながむれば、