輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,374 字 · 345 頁

青空文庫

と言って、作ということを言わないから、仁王尊そのものの右が運慶尊、左が湛慶尊になりきって、本体と、作者が、見事に習合せしめられている。識者はそれを笑い、愚者はそれに感歎する。案内者自身はまた、右が運慶尊、左が湛慶尊と信じきって、眼中に信仰と芸術の差別なきところが、お愛嬌のようなものであります。

そこで、お銀様はじっと立って、この特異の大画を上から下へ、下から上へ、見上げ見おろしてじっと立ちました。

この怪異なる、人ともつかず魔ともつかぬ大画像は、いったい何を意味しているのか、不幸にしてお銀様にはこれがわかりません。

ただ見るところは、不動尊以上の不動尊の形相を呈しているが、不動のような赤裸のいつわらざる形体を誇っているのではない、身辺はあらゆる紅紫絢爛たる雑物を以て装飾され、彼の如く、しかく単純に剣と縄との威力を誇示するには止まらない。なるほど、不破の関守氏から予備知識を与えられた、これが三十六臂の形式というものでしょう。一つの形体から三十六の手が出て、それがおのおのの方向に向って、おのおのの武器を持っている。世には千手観音という尊像もあるのだから、三十六や七は数に於て問題でないが、その生血の滴る現実感の圧迫にはこたえざるを得ない。