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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,374 字 · 345 頁

青空文庫

その傍らにお給仕役をつとめながらの若い老尼が、あやなすように話しかける。

「あなたは、どちらからおいでになりましたの」

「関の大谷風呂に暫く逗留しておりました」

「お国はドチラですの」

「東国の方ですがね、諸所方々をフラつきましたよ」

「お目がお悪い御様子ですが」

「はい、目がつぶれてしまいましてね、つまり天罰というやつなんですよ」

「どうして、そういう目におあいになりましたの」

「十津川の騒動の時にやられました」

「ああ、あの天誅組の騒動に、あなたもお出になりましたか」

「はい、十津川では天誅組の方へ加わりました、中山卿だの、それから松本奎堂、藤本鉄石なんていう方へ加わりました」

「まあ、それは頼もしい、天朝方でございますね」

「なあに、頼もしく入ったんじゃありませんよ、頼まれたもんですからツイね、つまり、人生意気に感ずというわけなんでしょう」

「その前は、どちらに」

「その前は壬生におりました」

「まあ、壬生浪……」

「恐れるには当りませんよ、これもふとした縁でしてね、好んで新撰組に加わったわけじゃありません」

「では、あなたはずいぶん、お手が利いていらっしゃるのね」

「剣術が少し出来るんでね、まあ、それで身を持崩したようなものです」