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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,374 字 · 345 頁

青空文庫

「でも、危ないですよ」

「何があぶないものですか、あなたこそ、目も見えないくせに、足元があぶないとは、こっちから言って上げたいことなのです」

「では、お言葉に甘えましょうかな」

「そうして下さい、あなたに不自由をおさせ申しは致しません、その代り、わたしの仕事もお手つだいをして下さい」

「拙者の身で叶うことならば何なりとも」

「まあ、雨が降り出してきましたよ、これこそ本当にやらずの雨、今日は一日、あなたのお身の上話を承りましょう、お望みならば、わたしの前身……鬼でも蛇でもございませんが、お話し申し上げれば西鶴の種本になるかも知れません」

「しからば――」

侵入者は、ついに客人としてもて扱われることになりました。無制限の逗留と、無条件の寄食を許されて……

六十六

神尾主膳は、このたびの新しい使命の下に、いよいよ京都へ行くことにきめて、その暫時の名残りのような意味で、江戸の市中を一通り見て置こうと思いました。

そもそも、主膳がこのたびの使命というのは、前にしるしたように、全く無任所として、京都の鷹ヶ峰に住っておればいいということだけです。そうして遊びたいだけ遊んで、その見たところと、聞いたところと、感じたままを、江戸のある方面へ知らせればいいというだけの役目であります。