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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,374 字 · 345 頁
且つまた、これだけの備えがあって、人がないことを、三百年の徳川のためにも大息しているかのようにも見られます。
無名島に上陸した無名丸の乗組のうちに、書き漏らされた存在として、柳田平治と、金椎とがあります。
柳田は、最初から駒井船長が、虫の好かない唯一の存在でありましたから、つとめてこれに近づこうとしない。そのくらいだから船中の誰もに親しみを持たないし、船中の誰もがまたどうも山出しのブッキラボウな青年で、且つ好んで長い刀をひねくり廻したりなどするものですから、気味を悪がってのけ者あつかいにしている。ただ一人田山白雲にだけは親しみを持つものですから、田山と二人が、別棟をこしらえて、植民地に住むというような有様です。しかし、柳田は田山ほどに世界を知らないし、また超世間の美術に没頭するという術を持たないから、田山のために写生旅行の助手をつとめようという気にもならず、黙々として働くだけを働き、その合間には、長い刀を振り廻して、居合の独り稽古をしているだけのものです。
柳田がすっぱ抜きをしているところへ、白雲が通りかかると、それに引き入れられて、同じように居合を試みてみたり、それが嵩ずると、真剣で型を使ってみたりするのでありますが、また時としては真剣や白刃を取らずに、素手でやわらの乱取りを試むることなどがあります。