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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,374 字 · 345 頁
むしろ、そういう見学は避けた方がよろしい、避けしめるのが、先輩のつとめというものだが、ここで嗾けるようなことを言う関守氏は、その言葉つきからしてわざと下品に砕けて、
「行くなら行ってみな、資本としてはたんともねえが――ここに二十両ある」
胴巻ぐるみ、百の前へ投げ出したのは、いよいよ怪しからぬことで、行って見ろと嗾けた上に、資本金までも供給するのですから、シンパ以上の、むしろ共謀に近いほどの不逞なのです。ところががんちゃん、否やに及ばず、早速二十両の胴巻を頂戴に及んで、
「善は急げ、これから早速飛んで参りましょう。ところでその洛北岩倉村てえのはいったい、どっちの方向で、当日のトバの貸元てえのは、どういう顔でござんすかねえ、そこんところをひとつ、伺って置きてえもんでござんさあ」
ロクでもない片腕で、早くも二十両の胴巻ぐるみ懐ろへ捻込みながら、中っ腰になって、善は急げと来たが、その善なるものを急ぐにつけても、善戦をしなければならない。善戦をするには、彼を知り、我を知らなければならない。そこで相手方の地の理と、相手方の親分大将の身分について、相当の知識を持たなければならないというのは、この男として相当の心づかいでありましょう。