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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 104,838 字 · 204 頁
第一、自分の妻が、もう最初から自分を離れている。お君が離れた。従ってあの米友という礼儀はわきまえないが、心実の確かな小男も、自分を離れたというよりは、むしろ怨んで去った。神尾主膳の陥穽にかかって、自分は半生を葬られてしまったようだが、実はやっぱり自分は、その地位を保つだけの徳がなく、職を辷るだけの欠陥があったせいだと見られないこともない――駒井はこんなことを考えながら、やがてひとり船室を立ち出で、甲板の上を静かに歩み出でました。
外へ出て見ると、月ノ浦の夜に月はありませんでしたけれども、至って静かなものです。遠く松島湾の方のいさり火を眺めて、駒井甚三郎は満面に触るる夜気を快しとしました。
船の修繕と、未完成の部分の工事、この地で大工に心あるものを雇いは雇ったが、どうも思うようにこちらの壺を呑込んでくれなくて困る。人手に不足はなく、みんなよく働くけれども、本来、こういう船の工事を扱う手心が出来ていないのだから仕方がない。明日はまたひとつ鍛冶屋を探し求めなければならない。機関部の工事を補足をするために、この辺から鍛冶屋を求め出して来なければならない。