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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 104,838 字 · 204 頁
「ほんとうに左様でございます、噛みしめればしめるほど、幾つになっても、どんな偉いお方でも、お手本になるお伽噺だと存じます、全くこんな為めになる御本はほかにはございません」
「それに元は西洋の本でも、翻訳がなかなか名文だから、いっそう読み心地がよい。どこまで読みました」
「はい、ここまで拝見しましたが」
と言ってお松は、雁皮紙刷りの一種異様な古版本のある頁を開いて、駒井の方へ示しました。
「ははア――」
と駒井が、それに眼を落したところに、次の如き文字が見える。
「狼と子を持った女のこと」
「それから殿様、この少し前のところに、私としても、少し不審なことがございます」
と言って、お松は、十枚ばかり後ろへ紙数を繰り返したところの書物の上を指すと、そこには、
「父と子どものこと」
駒井が示されたまま黙読すると、次のように書いてある。
「ある父、子を大勢もったが、その子供の仲が不和で、ややもすれば喧嘩口論をして犇めくによって、その父、なにとぞしてこれらが仲を一味させたいといろいろ工めども、為うずるようもなかったが、あるとき児ども一処に集まりいたとき、父下人を召うで、『樹の楚をあまた束ねて持ってこい』