輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 104,838 字 · 204 頁
こう言っているうちに、そのなんとなしの不安が、いよいよ募ってくるものですから、茂太郎の傍を立去りかねているうちに、駒井は、もう一人で自分の部屋へ帰ってしまいました。といって、それ以上どうすることもできないお松は、茂太郎をなだめすかすほかの術を知りません。
「茂ちゃん、そう取越し苦労をしたって仕方がありません、いつまで待っていたって、来る時でなけりゃ来やしませんから、休みましょうよ、まだ明るくなるまでには充分時間がありますから、下へ行ってゆっくり休みましょう。わたしも、なんだか、まだ寝不足だから、もう少し休ませてもらいましょう」
マドロスが兵部の娘につれられたのとは期せずして同工異曲に、お松は、茂太郎を引っぱるようにして自分の船室へ連れて行ってしまいました。
そこで、船の上下こそ、今度は全く静かなものになりました。茂太郎も、存外素直にお松の部屋へ来て、その一隅の寝床へもぐり込むと、早くもすやすやと寝息が聞えます。
騒擾事件の発頭たるマドロスも、鼻唄の声さえ、鼾の声さえ、洩れないほどに納まり込んでしまっていると見るよりほかはない。明朝は、朝寝、昼寝おかまいなしというお触れですから、皆さんが安心しきって羽目を外して寝込んだものです。