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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁

青空文庫

お雪ちゃんの一行と、池田良斎の一行と、俳諧師と、山の案内人と、猟師と、宿の番人と、それから最近に面を見せた山の通人――ともかくも、こんなに多くの、かなり雑多な種類の人が、ここで冬を越そうとは、この温泉はじまって以来、例のないことかも知れません。

そこで、この一軒の宿屋のうちの冬籠りが、ある時は炉辺の春となり、ある時は湯槽に話の花が咲き、あるときはしめやかな講義の席となり、ある日は俳諧の軽妙に興がわくといったような賑わいが、不足なく保たれているのだから、外はいかに寒くなろうとも、この湯のさめない限り、この冬籠りに退屈の色は見えません。

ことに、この冬籠りに無くてならぬのはお雪ちゃんであります。見ようによれば、お雪ちゃんあるがゆえに、この荒涼たる秋夜に、不断の春があると見れば見られるのであります。誰にもよいお雪ちゃん――どうかすると、このごろめっきり感傷的になって、ひそかに泣いているのを見るという者もあるが、それでも表に現われたところは、いつも気立てのよい、人をそらさぬ、つくろわぬ愛嬌に充ち満ちた微笑を、誰に向っても惜しむことのないお雪ちゃん――

お雪ちゃんは今、柳の間で縫取りをしている。