輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁

青空文庫

それとも、海への出端も、塞がれてしまったと覚ったのかも知れない。いいあんばいに、手薄の方へ飛び出したなと思っているうちに、また急に逆戻りをして、以前の唐人小路の真中をかけ出してしまいました。

たしかに血迷っている。いったん、逆戻りして北へ向って走ったのが、とある町角へ来ると、またしても南へ向きを変えて逆戻り、それがまた海岸方面へ出ると、

「あ、いけねえ――」

またしても、梶を北の方へ取戻す。これでは、同じところを往来をしているようなものです。追っかける方も同じことで、がんりきが南へ行けば南へ行き、がんりきが北へ戻ればまた北へ戻る。そうして、つかまりそうで、つかまらないことは、いつになっても同じです。これではかけっこのおいたちごっこをしているようなものだから、ばかばかしいこと夥しいが、それでも、逃げる方も血眼であり、追う方も血眼であり、結局、足の達者な方が、長続きがして、足の弱い方が、早くくたびれるという尋常の法則を繰返すだけのものに過ぎまい。

山崎譲は、この駈足のどうどうめぐりを、面白がって辻番の前で見物していたが、

「どうでしょう、奴、逃げられましょうか、うまく逃げおおせられますかな」