輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁

青空文庫

ところが――一朝にして、このせっかくの主膳の、珍しく気持のよい暢やかな気分を、根本から打消してしまったものがあります。

そこで、主膳はむらむらとして、一種の不快千万な気持に襲われると共に、今までの、かりそめの清純な感情が塗りつぶされてみると、当然あるべき神尾主膳そのものの感じが、露骨に現わされてしまったのは、ぜひのないことでしょう。

何が、それほど、せっかくの神尾主膳を不快なものにしてしまったか。

庭を隔てての廊下を見ると、お絹という女が寝くたれ髪のだらしのない風をして、しきりに楊子を使っている姿が、ありありと見られたからであります。

今時分――日はカンカンと照っているのに、自分でさえが、こうして、早く、いくつもの法帖を楽しんでいるのに、かの女は、今になって漸く寝床を離れたものらしい。

朝寝ということは、当然夜ふかしというものを前提とする。

それは芸妓であり、女郎である人々は別とする――また芸妓であり、女郎でないまでも、社会に存する正当な仕事で、夜業をすべき必要のあるものは別とする。

普通の社会において、普通の家庭において、朝寝、夜更かしというものは男性においてさえも決して自慢にはならない。