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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁
それを主膳は、だまって見ているうちに、垣の外でワッと大声に泣き出す声が聞えました。
その時、どこをどうしたものか、三人ばかりの真黒い男の子が、怖々と垣の外から庭の植込の中へ入り込んで来たのを、主膳が認めました。
しかし、なお、黙って、そのせん様を見ていると、いずれもはなったらしであります。この辺の町家か、百姓のせがれと覚しく、あんまり身分ありそうな子供でもないが、それでも無断で、人の屋敷へ入り込んで来た遠慮心から、済まないような目つきと、足どりで、こちらへ進んで来るのを主膳は認めたけれども、子供は気がつかないで、
「有った、有った、あら、あの桜の木の下の木蓮の枝にひっかかってやがら」
「ああ、有った、有った」
そこで彼等は、遠慮心も、好奇心も打忘れて、バラバラと例の木蓮の枝のところまで走せ寄ったが、そのうちの一人が、その瞬間に神尾の姿を見て、
「あっ!」
と言って舌をまいて踏みとどまったが、二人は気がつかないものだから、遮二無二、木蓮の枝にしがみついて、木の撓むのも、枝の折れるのも頓着なく、凧を引っぱずしにかかるものだから、神尾主膳が、
「コラッ」
と強く言いました。