輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁

青空文庫

するのだか、或いはまた、これから、何かめざしたところの仕事にでも取りかかろうとして出発を急ぐのだか、乃至また、お絹のところあたりへ、ちょっと顔を出して、御挨拶を申し述べてみようとするのだか、それはわからないなりに、まあ御免下さいましと言って七兵衛は、主膳の前から消えてしまいました。

七兵衛が立去ったあとで、神尾主膳は、なんだか平生には似気ない心持になりました。

国の亡ぶる秋遠からず――といったような感慨が、骨まで腐り込んだ主膳の魂のどこかを、軽く突いたようなものです。

万一、徳川の屋台骨が崩れるとすれば、その責任はいわゆる旗本にあるのだ。われわれも御粗末ながら、その旗本の末席を汚し来った一人とすれば、その責めを分たねばならないのだ。責めを分たねばならないどころの話か、このおれのような恥知らずの、やくざ者が相ついで出でたればこそ、主家のタガがゆるんだというものではないか。おれたちこそ、実に徳川にとっては獅子身中の虫だ。なんのおれたちが、しっかりしてさえいれば、つまり旗本八万騎なるものが、往昔の三河武士の気骨さえ失わないでいるならば、なんの薩摩が、なんの長州が、歯が立つものか――