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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁

青空文庫

もう今までに、金で遊べるところでは大抵遊びつくしているし、金で自由になる女はたいてい自由にしているし、金に渇えている時分にこそ、金があったらひとつ昔の壮遊を試みて、紅燈緑酒の間に思うさま耽溺してみよう、なんぞと謀叛気も起らないではなかったが、金が出来てみると、そんな慾望がかえって鎮静し、紅燈とやらにこの傷をさらし、緑酒というものにこの腸を腐らせるような遊びが、古くて、そうして甘いものだという気になって、額を撫でながら、ニヤリニヤリと笑いました。

同時に、ここに集まったたのもしい旧友とても、同じような経験に生きている連中で、もう一通りの遊び方ではたんのうができないし、遊ばれる方でも、こういった悪ずれのお客様は、あんまりたんのうしたくないということになっている。

主膳は自分で、乱に至らない程度の酒を加減しいしい飲みながら、一座に向って、自分の胸底にひめていた新しい計画を、ソロソロとうちあけて、連中の同意を求めにかかる。

ことあれかしと期待しているこの連中が、主膳の秘策なるものに共鳴せずという限りはあるまい。

秘策といっても、それは別のことではない、われわれ世間並みの女という女を相手にしつくした身にとって、この上の快楽として、大奥の女中を相手にして遊んでみようではないか、というだけのことであります。