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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁

青空文庫

こんなに長く熊を見ているんではなかった――

米友はこの十分の責任感で、木曾の福島の駅を西に向って道庵を追いかけましたけれど、かなりのところで、その姿を見かけることができません。

「おいらの先生はどうしたんだ、みんな、おいらの先生を見なかったかい――馬に乗ったおいらの道庵先生」

こう呼びかけながら、まっしぐらに、しかしびっこを引いて、彼は全速力で走りましたが、誰も要領よく答えてくれる人はありません。また米友も足をとどめて、要領よくそれを聞きただす余裕もありません。彼は走りながら、叫びつづけました、

「おいらの道庵先生――馬に乗った道庵先生、下谷の長者町の十八文の道庵先生」

「もしもし」

「何だい」

「休んでござりまし、木曾お六櫛買ってござりまし」

「要らねえ、要らねえ」

「おみやげに桜皮のたんじゃく、墨流しのたんじゃく、お買いなさんし」

「おかみさん」

そこで米友が立止まって、これこれこういう人体の仁が通らなかったかということを、米友としてはかなり気を落ちつけたつもりで尋ねると、物売屋の女房が、

「ほんに、そういった御仁なら、たった今、西東の方へおいでなったのっし」