輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁

青空文庫

この武士階級――特にこの人々に限ったことはないが、当時の武士階級の大部分は、算盤は持てても、刀の持てなかった人はかなりに多く、甲冑の着ように戸惑いしたのは、長州征伐の時の江戸の旗本の大部分のみとは限らないでしょう。

平常の修練がないから、非常の狼狽がある。それは歯痒いわけだが、宇治山田の米友もここに至って、彼等の狼狽を憤るほかには、何と差当って、その応急手段を講ずることに無力なのを自分ながら、いらだたないわけにはゆかぬ。

「ちぇッ、いかに山家だって、医者というものが無えのかなあ」

こういって、四たび、地団太を踏んだ時に、火打石をさがす自分の手に、提灯があかあかと点っている間抜けさをさとりました。

「そうだ、こういう時の、おいらの先生じゃねえかい、道庵先生はお医者の名人だ、下谷の長者町の道庵先生に限る」

と気がついたけれども遅い、その先生はここにいないじゃないか。一緒につれ立って影の形におけるが如くあるべきはずの、また今日まであって来たところの先生が、この時、この際、先生でなければならない時、その先生ありさえすれば、死ぬべき人が生きて助かるべき際……いないじゃないか。