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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁

青空文庫

しかし、世話女房としては、何といっても豊広だね……。豊広――歌川派の老手で、広重の師匠だといった方が、今では通りがよいかも知れぬ。広重の美人画は問題にはならないが、豊広の女には素敵な味がある。おっとりした世話女房としての味では、この人に及ぶ者はない。これはまた、清長や春章とちがって、大どころでなければ納まって行けないという女房と違い、ずいぶん世話場も見せながら、亭主にはつらい色も見せず、和らかになぐさめて、しっくりと可愛がってゆく、という女房ぶりだ……豊国は役者の女房にしかなれず、国芳はがえんのおかみさん、国貞は団扇絵。

明治になって……まさか七兵衛が、明治以後の浮世絵の予言までもすまいけれど、やはり、あんまり念入りに一枚絵を見ているものですから、浮世絵の現在を論じて、その将来に及ぶというような面構えにも見えて来るのが不思議であります。

明治の浮世絵の中心は、何といっても月岡芳年さ。この男は国芳の門から出たはずだが、少なくも伝統を破って、よかれあしかれ、明治初期の浮世絵の大宗をなしている。見ようによっては浮世絵の型が芳年から崩れはじめた……とも見られるが、ああ崩して行かなければ、明治以後の複雑な世相を浮世絵の中にもり込むことはできなかったともいえる。