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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁

青空文庫

ない――しかるところ、数日して隣室の客が代ると、また謡がはじまった、太夫殿、あれをひとつ頼む、先日の伝であれを退治してもらえまいか、太夫、答えて曰く、あれはいけませぬ、どうして……先日のは下手といえども、自ら恥ずることを知るだけの力が出来ている、今度のは言語道断……恥というものを知らないから、拙者の謡を聞いても、逃げないで一層のぼせ上るに相違ない」

という話を、北原賢次が、池田良斎に向って物語ると、良斎が、

「全く世に度し難きは己れを知らざる者と、恥を知らざる者共だ」

哄然として笑いました。

これでもか、これでもか、といよいよすりよって、いよいよその醜があがる。御本人は気がつかないで、そばで見ている時に、気の毒と、滑稽とがあるのみだ。

望まれて、尺八を取ろうともしない北原賢次は、それでも己れを知るゆかしさがあろうというものである。

その時、外の戸を、ホトホトとたたいたものがあります。

「たのみます、おたのみ申します」

これが盛りの時であったなら、戸をたたいたり、案内を乞うたりするまでのことはないはずなのが、空屋同然の今の場合では、それでも容易に応ずる者が無いものですから、