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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁
それに比べるとお雪ちゃんはかわいそうです、茂太郎がわたしに逢いたがっている心と、お雪ちゃんがわたしを頼りにする心とは、性質が違うのでございます――私の今の感覚によって想像してみますと、茂太郎は海の方へ出ていますね、多分、房州の故郷の方へ連れ戻されているかも知れません、時々、あちらからあの子の声が聞えます。弁信さん――いま富士山の頭から面を出したのはお前だろう、なんて――あの子が海岸を馳せめぐって、夕雲の棚曳く空の間に、私の面を見出して、飛びついたりなぞしている光景が、私の頭の中へ、絶えずひらめいて参ります。ですから、私はあの子に逢いたければ、甲州から、いっそ相模へ出て、一息に船で渡らせてもらいさえすればよかったのです、必ずあの子に逢えたのです。それにもかかわらず、私は全くそれと別な方向を取って、信濃路へ分け入りました。信濃路も、この奥深い、日本の国の天井といわれるところまで分け入って参りました。道程は決して、滑らかなものとのみは申すことはできませんのでございます。ところもところでございましょう、時も時でございましょう、旅に慣れた身の上、むしろ旅を生涯とする私の身とは覚っておりますけれども、やはり雪の降る日には寒いと感じますことは、皆様も、西行法師も、私も、変ることはございません――里でたずねられました時