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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁

青空文庫

そうでなければ、穿ち過ぎて、こちらの頭にない取越し判断を加えてしまった。

まあ、仕方がない、なるようにしかなるまい、万事、この坊主頭に任せておいてやれ、という気になりました。

そうして、道庵は、また一層の段階を下りながら、

「は、は、は、は」

と高らかに笑って、同行の二人を驚かせましたが、別の仔細はありません。

横町の二町目に店があって、親が聾で、子もまた聾。ある時、親爺が忰に向って、忰や、いま向うを通ったのは八百屋の伝兵衛さんではないか、とたずねたところが、その忰が言うことには、なあに、お父さん、あれは八百屋の伝兵衛さんですよ、それを親爺が受取って、すました顔で、そうか、おれはまた八百屋の伝兵衛さんかと思った――という小噺を、この際道庵が思い出したから、それで不意に高らかに笑いを発したので、まあまあ、おたがいの勘違いのままで任せておいてみろ、宜しきに引廻してくれるだろう、という気になりました。

このお数寄屋坊主は、道庵主従を、その万松寺というのへ向けて引廻すつもりでしょう。

程経て三人の姿を名古屋大路に見出したが、途中、仰山らしい人だかりに行手をはばまれて、背の高い道庵が、その人だかりの肩越しにのぞいて見て、思わず声を上げ、