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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁

青空文庫

読者諸君は御存じのことでしょう、伊勢の古市、間の山の賑わいのうちに、古来ひきつづいた名物としての「お杉お玉」というものの存在を――

そうして米友の唯一の友であり、兄妹であるというよりは、一つの肉体を二つに分けて、その表の方を米友と名づけ、その裏をお君と名づけたかのようにしていた、そのお君という子の芸名がお玉であったことを――

それと同時に、お君のお玉と相棒になって、胡弓をひき、撥受けをいとなんで、さのみ見劣りのしなかったうたい手に、お杉がなければならなかったことを――

今、ここで米友が「よっちゃん」と呼びかけてかぶりついた踊り子の娘が、すなわちこのお杉でありました。

まあ、二人の無邪気な会話を聞いていればいるほど、筋はよく通ったものです。

「ねえ、友さん、君ちゃんにも、お前にも行かれてしまったあとの、わたしのツマらないこと察してごらん、一日だって忘れたことはありゃしませんよ、いどころぐらい知らせてくれたっていいじゃないの」

「そりゃあね、知らせるのは雑作もねえが、おいらたちは罪人扱いなんだからな、うっかり便りをしようものなら、こっちも危ねえが、お前たちの方にも、かかり合いになると悪いと思ってね」