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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁
七兵衛は客間へ取って返して、自分の道中差を取ってぶち込み、尻端折りをして飛び出しました。
行く先は分らないながら、とにかくあらましを茂太郎から聞き、足跡をたどり、途中で聞き聞き行くつもりで駈け出しました。
これが行く先さえ分っていれば、七兵衛の足だから先廻りをするに雑作はないが、なにぶん土地不案内のことです。
一方急を訴えられた造船所では、ちょうどそこに、主人の居合わされないことを残念に思いました。駒井甚三郎は七兵衛を置いて、それからまたここへ戻って来たには来たが、またフラリと立去ってしまったとのことです。
平沙の浦の方へ潮を見に行ったか、天文台の方へ、観測に行ったか、どちらへも人を馳せると共に、造船所の職工のおもなる者は、当所の陣屋へ来て見ますと、右のような次第で、乱入者も、マドロスも、影も形もありません。そこでまた、手分けをしてその行方を探しにかかりました。
とうとう夜になったが、行方が知れませんでした。
夜になると、駒井甚三郎が帰って来てその報告をきいて、安からぬことに思いました。
それは、この辺の土民にしてはやり過ぎである。誰か尻押しをしたものがあるのだろう、けしかけたものがあるだろう、黒幕にいるものがあるに相違ない、と感じさせられないわけにはゆきません。