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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁

青空文庫

しかし、なにも悪いことをしたんでなければ、そう、まっしぐらに走らないでもいいではないか。番兵さんの熟睡を見すまして逃げて来たんなら、そう物に追われるようなあわただしい脱走ぶりを、試みなくともいいではないか。

だが、この少年は、なお驀然に走りつづけることをやめない。どうしても後ろから、追手のかかる脱走ぶりです。

果して、後ろに足音がする。足音がバタバタと聞え出して来た。スワこそ!

しかし、仮りに番兵さんに追いかけられて、つかまってみたところで、何でもないではないか――

その以外の、誰かこの辺のお百姓にでも怪しまれて、取捉まってみたところで、タカが子供ではないか――

狼が出たって、熊が出たって、コワがらないこの子が、何に怖れてこうもあわただしく走るのか、了解のできないことだ。

だが、その後ろから、起る足音の近づくを聞くと、茂公はなお一層の馬力をかけて走る。

後ろのは、得たりとばかり追いかける足音が、いよいよ急です。

前の走る者の了簡方もわからないが、後ろから追いかけて来る奴の心持もわからない。おーいとも言わず、待てとも呼ばず、ただ、足をバタバタさせて追っかけて来るばかり。