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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠16(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 268,946 字 · 520 頁

青空文庫

と言った時に、突然、入口のところで、

「は、は、は、は」

という笑い声がしたので、お雪ちゃんも、米友も、びっくりして銭勘定の手を休めて、その笑い声のした方を見ると、ガラリと潜り戸をあけて平気な面で入って来て、上り框に腰をかけて、こちらを見ながら、にやにやと笑っているのをお雪ちゃんが見届け、

「あら、不破の関守さん」

「お二人さん、よく御精が出ますな、お宝の勘定は悪くないものでござんしょうな」

とお世辞を言ったのは、二人ともに充分納得のゆく、この新屋敷の同居人、不破の関屋の関守氏でした。

二十三

同居人とは言いながら、離れた本館の方に在って、常にお銀様のために、工事と計画の参謀と、その監督に当っている人ですから、突然こうしてここへ来ようとは思っていなかったのですから、意外というのは、ただそれだけなのです。

「よくいらっしゃいました、どうぞこちらへ。おや、どこぞへおいでのお帰りでございますか」

とお雪ちゃんが、関守氏の相当な足ごしらえを見ながら、炉辺に請じますと、関守氏は、

「いや、拙者も長浜まで行って参りましたよ、お銀様から急用を頼まれましてな。その頼まれた急用というのはほかじゃありません、友造君を迎えに行ったのです。