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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 319,771 字 · 617 頁

青空文庫

ても、買切れる主がございません、買いたいと申しましても、二度と売主は出ますまいかと存じまする、お大尽のお耳に入りましたのが、全く以て千載一遇――売主のためにも、お買取りの方にも、また古えの光悦様のためにも、三方への功徳になるかと心得ておりまする」

おたいこを叩いている言葉尻から察すると、この辺に地所の買入れの周旋が相当進んでいるらしい。しかし、今晩は、そういうことの取引を熟談するために、この船をよそおうて湖へ出たのではないらしい。そうかといって、今晩に限って、湖上の月を眺めようとの風流のための一座でないこともわかっている。地所家屋のことが口に上ったのは、当座の口合いだけのもので、この船は別に何か目的あって沖に向って進むものらしい。

宿へは、月も見がてら、夜をこめて竹生島まで行きつき、泊りの参詣をして帰ると言って出たのですが、その竹生島参詣にしてからが、なにも今晩、この船路を選ばなければならない必要も、理由もないようなものですが、それを伊太夫の発意によって、急にこの船よそおいをさせたというものは、一つは湖中へ向って、陸上から避難の意味でありました。