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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 319,771 字 · 617 頁

青空文庫

あまりに抜身の手際があざやかなものだから、米友としては、いささか化け物を見るような感がないではない。

やがて、不破の関守氏は二人を炉辺に招じて、ふつふつと湯気を吐きつつある鍋の前に坐らせました。無論、自分もその一方の、熊の皮か何かを敷いた一席に座を構えているので、あたりを見れば短檠が切ってあって、その傍らに見台がある、見台の上には「孫子」がのせてある。

その見台の上にのせてある書物を「孫子」だなと、米友が睨んだわけではない。本がのせてあるなということは、たしかに睨んだけれども、一目見て「孫子」だなと睨み取るほどの学者ではなかったのです。

ここへ来たのはホンの昨今であろうのに、もう十年も住みわびているような気取り方が、米友にはまたいささかへんに思われる。

加うるに膳椀の調度までが、一通り調うて、板についているのは、前にいた人のを居抜きで譲り受けたのか、そうでなければ、お勝手道具一式をそのまま、あたり近所から移動して来たとしか思われません。

かく甲斐甲斐しく炉辺の座に招じて置いてから、不破の関守氏は、

「君たち、まだ夕飯前だろう、何もござらぬが手前料理の有合せを進ぜる」