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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 319,771 字 · 617 頁

青空文庫

ね――それが一つの勢力ではありませんか」

「御尤も」

不破の関守氏がお銀様の見識に、即座に膝を打ったことは申すまでもありません。お銀様はちっとも騒がず、おもむろに数字を以て、当時天下の長者といわれる家々の実力を、実際の上から論歩を進めて参りました。江戸で三井、鹿島、尾張屋、白木、大丸といったような、大阪で鴻池、炭屋、加島屋、平野屋、住友――京の下村、島田――出羽で本間、薩摩で港屋、周防の磯部、伊勢の三井、小津、長谷川、名古屋の伊東、紀州の浜中、筑前の大賀、熊本の吉文字屋――北は津軽の吉尾、松前の安武より、南は平戸の増富らに至るまでの分限を並べて、その頭のよいことに関守氏を敬服させた後、

「それですから、ここに相当の金力の実力を持っている者がありとしますと、たとえば三井とか、鴻池とかいう財産のある大家の中に、先を見とおす人があって、これは東方が有望だ、いや西方が将来の天下を取るというようなことを、すっかり見とおして置いて、そのどちらかに金方をしますと、その助けを得た方が勝ちます、勝って後は、そのお金持がいよいよ大きくなります――それに反かれたものは破れ、それが力を添えたものが勝つ、戦争は人にさせて置いて、実権はこれが握る、実利はこれが占める、政府も、武家も、金持には頭が上らぬという時節が来はしないか、わたしは