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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 319,771 字 · 617 頁
更に遡って、保元平治の乱となり、両六波羅の滅亡となって、堂塔伽藍も、仏像経巻も挙げて灰燼に帰するの日がなしと誰が断言する――不破の関守氏は仮りにその時を予想しているのである。そうして今のうちにめぼしい美術品を、最も合法的に、集めるだけ集めて置きたいというのである。そうして、この山科の光仙林に倉庫を構えて蓄蔵して置く。あるものは胆吹山まで持越して隠して置く。それをするには、京都に近く、奈良に近く、滋賀と浪速とを控えたこのあたりが、絶好のところであり、今の時が絶好の時である。
こうして、あらかじめ、国宝と、それに準ずる重要美術品を集めて置くことは、つまり、国家に代ってこれを保護する役目にもなる。関守氏としては、個人の趣味を満足せしめ、その蒐集慾を満喫することになるのだが、その結果は放漫に終るのではない――ということを能弁に任せて、こまごまとお銀様に向って説き立てるのであります。
それがわからないお銀様ではない。関守氏の提案はことごとく嘉納せられて、女王はその財産の若干をこれに向って支出することを厭わない允許を与えました。
そこで、関守氏も大いに会心の思いをしました。