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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 319,771 字 · 617 頁

青空文庫

お銀様は何かしら憤りをこらえて、なお読み進んで行くと、

「九三君子終日乾乾夕※(「りっしんべん+易」、第3水準1-84-53)若※(「厂+萬」、第3水準1-14-84)无咎 九四或躍在淵无咎九五飛竜在天利見大人」

いよいよ読み進んで、いよいよ何のことかわからなくなる。

お銀様は憤りました。

十二

易を読んで、お銀様が腹を立つ、それは立つ方のお銀様が無理です。孔夫子でさえも、五十初めて学ぶという易を、女王様風情で物にしようというのが大ベラボウのもとなんですが、傲慢と、呪詛と、増長で持ちきっているこの女には、その分別がつかないのです。

事実、わかるわからないは別として、現在お銀様には歯が立たないのです。立たないのがあたりまえなのですが、それをそうと素直に受けることのできないことが、この女の持つ重大なる不幸でもあり、生存の根拠でもありましたのです。同時に、この女王はこの書物を征服しなければならないという憤りを発しました。この人は早くから世をすねている、人に面を合わせることを憎んでいる生活が内面に向って、書を読むことは読みました。おそらく、お銀様ほどの年頃で、お銀様ぐらいの読書家はなく、そうしてその読書の範囲に於ては、曲りなりにも自分の見識の立たなかった書物というものは、まず今までになかったのです