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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠2(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,601 字 · 387 頁

青空文庫

「へえ、何から何まで有難うございます」

与兵衛は繰返してお礼を言います。

ここで道庵先生が、野郎の方は少々跛足になると言ったのはもちろん米友のことで、眼の方は難物だというのはたぶん机竜之助のことでありましょう。

さきの晩、与兵衛が伝馬で若山丸へ頼みに行ったのはお玉一人であって、竜之助は、やはり与兵衛の家に隠されているものと見なければなりません。

道庵も江戸へ帰るものと見えて、すっかり旅装束になっていました。その時にお松が、

「先生、道庵先生」

「おやおや」

「いつぞや、先生のお世話になりました江戸の本郷の……」

「ああ、そうであったか、それはそれは。やはりお前さんもお伊勢参りかな」

「いいえ……」

「道庵先生」

今度は兵馬が呼びかける。

あちらからも道庵、こちらからも道庵で、先生めんくらってしまい、

「おそろしく道庵の売れのいい日だ。お前さんはどなたでしたかね」

「浪士に追われて、先生のお宅へ走り込んだことがありました、その節はえらいお世話になりました」

「そんなこともあったけかな……お前さんもなにかね、伊勢参りかね」

「いいえ違います、拙者は別に用向があって上方から――して先生はこれからどちらへ」