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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠2(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,601 字 · 387 頁
竜之助もまた追おうともしません。竜之助が船に乗ると、犬もそれについて船に乗ろうとして船頭どもの怒りに触れました。
「こん畜生、あっちへ行け」
棹を振り上げて追い払おうとしたが逃げません。
「乗せてやってくれ、船頭殿」
竜之助はなぜかこの犬のためにとりなしてやりました。
「これはお前さんの犬でございますかい」
「そうだ」
船頭が不承不承に棹を下ろすと、犬はヒラリと舟の中へ飛んで乗りました。
桑名から宮まで七里の渡し。犬は竜之助の傍へつききりで、竜之助が舟から上ると犬もつづいて陸へ上る。
「これ犬」
高櫓の神燈の下で竜之助は、犬を呼んで物を言う。
「おれと一緒にどこまでも行くか」
犬が尾を振る。
「よし、おれの眼の見える間は跟いて来い、眼が悪くなった時は、先に立っておれの導きをしろ」
犬は竜之助の面を天蓋の下から覗き込んでいます。
「江戸へ八十六里二十丁、京へ三十六里半と書いてあるな」
太く書かれた道標の文字を読んで、
「鳴海へ二里半」
竜之助が歩き出すと、犬もやっぱり尾を振って跟いて来ます。
犬が竜之助を慕うのか、竜之助が犬を愛するのか、桑名の城下、他生の縁で犬と人とに好みが出来ました。