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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠2(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,601 字 · 387 頁
「案の定、悪い奴。悪い奴なればこそ、こうして腕を切られても逃げ了せたと見えますなあ」
「それはそうとあなた様、お不自由なお身で、おつれもござんせぬにここへおいでなさいましたかいな」
「つれはあったけれど、やはりその騒ぎで逃げてしまった」
「そうして、ここはお関所のない山路、どうしてこんなところへ」
「これから行けば身延へ出られるとやら。身延へ参詣して甲州街道へ案内すると言うてつれて来られたが」
「左様でござんすかいな、なんにしてもこの雨の降るところでは……皆さん、どうして上げましょうぞいな、このお方様」
「幸い、乗り捨てなさんしたあのお駕籠、あれへお乗りなすったら、わたしたちが交る交る舁いでお上げ申して、ともかくも人家のあるところまで……」
三
東海道筋から甲州入りの順路は、岩淵から富士川に沿うて上ることであります。甲州へ入ると、富士川をさしはさんで二つの関があります。向って右の方なのが十島、左が万沢で、多くは万沢の方の関を通ります。宇津木兵馬もまた同じく万沢の関へ通りかかりました。兵馬は要路の人から証明を貰っているから、いつ、どこの路をも滞りなく通過することができるので、七兵衛は兵馬と一緒に歩く時のみはその従者として通行するが、一人で歩く時は、到るところのお関所を超越してしまいます。