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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠2(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,601 字 · 387 頁

青空文庫

聞いていたほかの連中も、なんだかこう、少しものすごくなってくる。

「六助さん、まあ、そんな怖い話はよして、今の帯の謂れを聞かして下さいな」

お豊は、言葉をはさんで、和歌山の大家の娘が入水したという怪談を打消そうとしたのでした。

「なるほど、ではそのお嬢様の幽霊話はあとにして、清姫様の帯の謂れ因縁から説き明かすことに致しましょう」

ようやく話は本問題に入るのである。

「まず――紀州牟婁郡真砂の里に清次の庄司という方がおありなすったと思召せ」

「なるほど」

六助の物語に拍子を入れるのは、例の駕丁の松であります。

「その庄司のお嬢様を清姫という――一説にはお嬢様ではない、まだ水々しい若い綺麗な後家さんであったとも申します」

「お嬢様と後家さんでは少し違う」

「なにしろ、人皇第六十代醍醐天皇様の御世の出来事だから、人別のところに少しの狂いはあるかも知れないけれども、どっちにしても綺麗な女の方に間違いはない。さてここに、鞍馬寺の山伏で安珍というのがあった」

「安珍――清姫」

「その安珍がまた、山伏のくせにばかに好い男なのだ、そうして熊野参詣の道すがら、清姫様のところで一夜の宿を借りたと思いなさい」