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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠2(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,601 字 · 387 頁
見逃すべきであるか、捉えて夫に引渡すべきであるか、兵馬も、しばしその扱いに迷うたのでありましたが、あの無茶な乱暴男、この有様を告げたら、なるほど、この女の言う通り女は殺されてしまうだろう、まあ、この場は見のがしておいた方がよかろうと兵馬も分別しました。
「どうぞ、お見のがし下さいませ、決して、あなた様のお身に御迷惑のかかるようなことは致しませぬ、一生の御恩でございます」
お豊は包みを拾い上げて、戸の外の闇へ飛び下ります。
兵馬はそれを追いかける気になりませんでした。
十一
兵馬はその翌日、宿をかえた――兵馬には、こんなばかばかしいことにかかわっていられない。金蔵が恨もうと、お豊が帰るまいと、別に心に残ることはなかったが、兵馬が去ってから後の室町屋には大変が出来しました。
その晩のこと、金蔵が荒れ出した――その荒れ方も尋常ではない、一室に押込めて、家中総出で警戒していたにもかかわらず、金蔵はついに荒れ出して脇差を抜いた。それでもって、支える奴を縦横無尽に斬り立てた。
父親の金六も手を負わされた、母のお民も斬られた。
それから、台所に飛んで出て、火を焚いていたおさんどんを蹴飛ばして、その火を取って投げ散らした――その火は障子についてめらめらと燃え上る。