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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠3(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 214,131 字 · 423 頁

青空文庫

それで暫らく二人の無邪気な会話は途切れたが、着物を畳んでいるお君の手は休まない。米友は両手で顋を押えて下を向いていたが、

「君ちゃん、どうだい、旅へ出ることをよしにしてしまったら」

「ええ? わたしに旅へ出るのを止めにしろって?」

お君は畳みかけた手を休めて、米友の方を向いて眼を円くする。

「そうしてくれると、いつまでも一緒にいられるんだ」

「そんなことを言ったってお前、もう二三日でここに泊っている宿賃もなくなってしまうのに、お前は奉公に行くんだろう、とても二人一緒に過ごして行けることはできないじゃないか。それにお前、今になって急に行けないなんて、あれほど恩になった親方さんの前へ、そんなことが言えるものかね」

「それはそうだろう。それじゃあどうも仕方がねえから、行っておいで」

「情けない言い方をするねえ、もっと威勢よく力を附けて言ってくれなくちゃ」

お君はどこまでも、米友の言うことを気にしないで、いつもの通り軽くあしらって、着物を畳んでいるが、米友はやっぱり浮かない面をしていると、破れ障子の裏で、ワン!

「ああ、忘れていた、ムクにまだ夕飯をやらなかった」

米友は、あわて気味に頭を上げると、